
フォックスリータイム(Thymus × citriodorus 'Foxley')は、タイムの仲間の中でも特に観賞価値が高い品種として知られています。
白~クリーム色の斑が入る葉と、初夏に咲く薄紫色の小さな花が魅力的で、果樹や他のハーブとのコンパニオンプランツとしても人気があります。
本記事では、フォックスリータイムと他のタイムとの違いや育て方、歴史や活用法について詳しくご紹介します。
通常のタイムも育てていますのでタイムについては別記事にて紹介させていただきます。
基本データ
- 学名:Thymus × citriodorus 'Foxley'
- 分類:シソ科イブキジャコウソウ属
- 草丈:10~20cm
- 耐寒性:あり(-5℃程度まで)
- 耐暑性:やや弱い(高温多湿に注意)
- 分類:常緑多年草
寿命は、3〜5年程度が目安として、剪定や株分けで更新可能ということでした。冬の寒さにもある程度耐え、地上部が枯れても根が生きていれば翌年また芽吹いてくれるそうです。
寒冷地では、冬に地上部がほぼ無くなることもありますが、春になると根元から新芽が出て復活してくれるようです。
フォックスリータイムと一般的なタイムの違い
タイムには多くの種類がありますが、一般的に「タイム」と言うと「コモンタイム(Thymus vulgaris)」を指すことが多く、これは料理用ハーブとして利用されます。
一方、フォックスリータイムはレモンタイムなどと同じく、観賞やグランドカバー向けに改良された園芸品種ということでした。違いを簡単にまとめると、以下のような違いがあります。
特徴 | フォックスリータイム | コモンタイム |
---|---|---|
葉の色 | クリーム色の斑入り | 緑一色 |
香り | 柑橘系のやや甘い香り | スパイシーで清涼感のある香り |
主な用途 | 観賞、グランドカバー | 料理、薬用、ハーブティー |
草丈 | 10~20cm程度 | 20~30cm程度 |
フォックスリータイムは園芸品種ということで、香りは少なくグランドカバー用や鑑賞用として活用されるのが一般的な様です。
フォックスリータイムの魅力
フォックスリータイムの魅力について紹介させていただきます。
白~クリーム色の斑が入る葉:ガーデンに彩りと明るさをプラスする魅力
フォックスリータイム最大の特徴は、斑入りの葉。明るい葉色が花壇や畑にアクセントを加え、他の植物とも調和しやすいです。ガーデニングにもおすすめですね。
フォックスリータイムの最大の特徴は、葉に入る美しい白~クリーム色の斑(ふ)です。この斑入り葉は、以下のような効果があります。
- 🌿 グリーン一色の植栽にアクセントを与える斑入りの明るさが花壇の単調さを防ぎ、視線を引きつけてくれます。
- 🌞 日光を反射し、全体を明るく見せる効果日当たりの強い場所では葉がより鮮やかに見え、夏の強い日差しでも美しさを保ちやすいのが魅力です。
- 🧺 寄せ植えや鉢植えに動きを出す緑・紫・白のコントラストが他のハーブ(ローズマリーやラベンダーなど)とも調和しやすく、デザイン性も高いです。
ちなみに、斑入りの葉は葉緑素が少ない部分を持つため、成長はややゆっくりですが、そのぶんコンパクトでまとまりやすい性質を持っているようです。
初夏に咲く薄紫色の小さな花:ミツバチ・蝶を呼び込むポリネーター向けの花
フォックスリータイムは、5月~6月頃にとても小さくて可憐な薄紫色の花を一斉に咲かせるようです。
この花はハーブファンにとって次のような魅力があります。
- 🐝 ミツバチや蝶を惹きつける:タイムの花は蜜源としても優秀で、自然農法や有機農園ではポリネーター(受粉を助ける昆虫)を増やす効果が期待されます。
- 🪻 控えめながら美しく、他の花を引き立てる:香り高く主張しすぎない花は、他のハーブや草花と組み合わせたときに、全体の調和を壊さず華やかさをプラスします。
- 🌱 開花期後の剪定で再び株が元気に:花が終わったあとに軽く刈り込むことで、葉が再び密になり株の形も美しく整うという副産物も。
コンパニオンプランツとしての効果:果樹や他の植物を守る“香りのガードマン”
タイム特有の爽やかでほのかに甘い香りは、香りのガーデンやハーブリースにもぴったり。
踏みつけても香りが広がるので、踏み石周辺の植栽にもおすすめです。株を増やすことが出来たら、通路にも植えられたらいいなと思っています。
また、フォックスリータイムは、香り成分であるチモール(thymol)やカルバクロール(carvacrol)を含んでいるとされ、この香りには以下のような植物保護効果が期待されているようです。
ただし、コモンタイムやワイルドタイムに比べるとこれらの成分の含有量は少ないとされ、香りの主成分はリナロールやシトラールなどの柑橘系に近い成分であることが多いようです。
なのでコモンタイムの方がガードマンとしての役割は強そうですね。
- 🛡 害虫忌避効果アブラムシ・アリ・コナジラミ・ハダニなどの嫌う香りを放ち、害虫の被害を軽減してくれます。
- 💧 地面を覆って乾燥・雑草を防止低く広がるグラウンドカバーとして機能し、土壌の乾燥や雑草の発生を抑えます。
- 🌳 果樹やハーブとの相性が良い特にリンゴ、イチジク、ブルーベリーなど果樹の根元に植えることで、根元の保湿・香りによる害虫避けのダブル効果が得られます。
- 🌬 空気循環の改善と微生物バランスのサポート密植せず風通しを確保しながら植えることで、地表の微気候を整える助けにもなってくれるようです。
フォックスリータイムの歴史と由来
フォックスリータイムは、レモンタイムやゴールデンタイムなどと同様、園芸品種として交配・改良されたタイムの一種です。
イギリスの「フォックスリー農園」で選抜された品種だとされており、名前の「Foxley」はその地名に由来しています。
古来よりタイムは防腐・抗菌作用を持つハーブとして利用されてきましたが、フォックスリータイムは特に観賞性を重視したタイムとして登場しました。
フォックスリータイムの育て方
ひとまずコンパニオンプランツとグランドカバーの目的で果樹と混植している畑にフォックスリータイムを植えているのですが最近元気が無いので、育て方について調べてみました。
■ 植える場所
- 日当たりと風通しのよい場所を好みます。
- 蒸れに弱いため、水はけのよい土壌を選びましょう。
- 果樹の根元や畝の縁などにも適します(混植向き)。
■ 水やり
- 乾燥気味を好むハーブです。
- 過湿は根腐れの原因になるため、土の表面が乾いてから水やりしましょう。
■ 肥料
- 肥料は控えめでOK。与えすぎると葉の香りが薄れる場合もあります。
- 春先に緩効性の有機肥料を与える程度で十分です。
■ 剪定・管理
- 花が終わった後や、草姿が乱れてきたら軽く刈り込むと、株が若返りします。
- 冬は地上部が枯れることがありますが、根が生きていれば春にまた芽吹きます。
フォックスリータイムを育てるときの注意点
- 高温多湿に弱いため、梅雨時期は蒸れ対策(風通し・剪定)が必要。
- 斑入りの葉はやや光に敏感なので、真夏の直射日光に注意が必要。
- 冬越しの際、寒冷地ではマルチングや霜よけをしておくと安心。
冬を越す場合は、軽く刈り込んでマルチングや腐葉土をかけると良いという情報もありました。
フォックスリータイムの活用例
- グランドカバーとして:ナチュラルな花壇や果樹園の下草として
- ボーダー花壇に:葉の色がアクセントに
- 香りの小道や石畳の隙間に:踏むと香りが広がり癒し効果抜群
- 鉢植え・寄せ植えにも:コンパクトな草姿で扱いやすい
フォックスリータイムの増やし方|挿し木・株分け・こぼれ種
通路にもグランドカバーとして植えたいので、増やし方について調べてみました。
1. 挿し木(さしき)で増やす方法 🪴【初心者向け】
おすすめの時期:春(4月〜6月)または秋(9月)
手順:
- 元気な茎を5〜10cmほどカット花がついていない、若めの枝を選びます。
- 下の葉を2〜3節分取り除く水に浸かる部分や土に植える部分の葉を取っておく。
- 水に数時間つける(オプション)切り口を落ち着かせたい場合、水に浸けておくとよい。
- 赤玉土や挿し木用土に挿す明るい日陰で管理し、土が乾かないように保湿。
- 2〜3週間で発根し始める新芽が出てきたら鉢上げ、または畑に植え替え。
💡成功率が高いので、春に剪定した枝を有効活用できます!
2. 株分けで増やす方法 🌱【確実・早い】
おすすめの時期:春または秋
手順:
- 株の根元を掘り上げる
- 根がしっかりついている部分を手やナイフで分ける
- 別々に植え替えて水をたっぷり与える
💡根がしっかり張っていれば、そのまま元気に育ちやすいです。
3. こぼれ種(種まき)での増殖 🌼【やや上級者向け】
フォックスリータイムは品種改良種のため、種で増やすと親と同じ姿にならないことが多いです。
そのため、見た目の美しさを保ちたい場合は「挿し木」や「株分け」がおすすめということでした。
フォックスリータイムは「挿し木」で手軽に増やせる!
- 一番手軽なのは挿し木
- 早く株を増やしたいなら株分け
今の株は少し元気が無いので、挿し木で少しずつ増やしていければと思います。
まとめ|フォックスリータイムは“見て・香って・使って”楽しめる万能ハーブ
フォックスリータイムは、タイムの中でも特に観賞価値が高く、ハーブ園やナチュラルガーデンにぴったりの品種です。
果樹の根元や通路沿いなど、他の植物との調和も美しく、香りと景観の両立を叶えてくれるハーブとして人気があります。
斑入りの葉や可憐な花、ナチュラルな香りを楽しみながら、ぜひハーブ園の一角に迎えてみてはいかがでしょうか?
今元気が無い理由についても、少し水の量が多く多湿気味なのかと思いました。
他の野菜なども植えており、植え付けたばっかりで毎日水やりをしていたので、もう少し乾燥気味に管理できるようにしていきたいと思います。